リハビリ“オーダーメイド”の根拠とは?

いまは便利な世の中です。テレビ新聞・雑誌・書籍等では、「〇〇の改善に効果がある」とされる運動療法が数多く紹介され、またネットを探れば、判りやすく解説された動画なども簡単に見つけることができます。整形外科疾患を抱える患者さん達のなかには、なにも専門家から直接リハビリ指導を仰がなくとも、「メディアを通じて得られる情報で充分」と考えておられるかたも多いかと思います。

ただ、メディアで得た情報をもとに、“自己流”でリハビリを試みることは、しないでほしいのです。それから状況によっては、舞姫自身が通院する整形外科で指導を受けたリハビリの内容について、このブログ“Twitter”等で取り上げる場合もありますが、同じ訓練法を迂闊に真似しないでください。また、ご自身が独自に得た改善法や訓練法を、他の患者さん達にも勧めることも、絶対にしないでください。

無論、メディア等で紹介される運動療法を「絶対に試すな!」などとヤボいことを言っているわけではありません。参考にして頂き、ご自身のリハビリメニューに反映させること自体は構わないと思います。ただし、その前に、通院される医療機関相談し、理学療法士さんの指導を必ず受けられてください。少なくとも、ご自身の独断のみで自己流リハビリを実践することだけは、絶対にやめてください。

これが、持病の股関節疾患(臼蓋形成不全)でリハビリ通院を始めて以降この9年間、ずっと舞姫が訴え続けてきた“我流厳禁”の掟です。なぜなら、本来リハビリテーションとは“オーダーメイド”であるべき治療法であると舞姫自身が解釈しているからです。じゃあ、どうしてリハビリは“オーダーメイド”でないといけないのか?どうして“自己流”でリハビリをしてはいけないのか?そこいらへんの“根拠”について、改めて整理してみたいと思います。

まずは、患者さんによってリハビリの内容にも適否があるから。これが、いちばんの理由かな。リハビリに、万能の“方程式”など存在しません。たとえ同じ疾患であっても、症状身体能力生活習慣、その日その時の体調などは勿論、スポーツをされる患者さんは競技種目によっても、そして手術を経験された患者さんは術式によっても、適するリハビリメニューは異なります。マニュアル式に同じ訓練をすれば、すべての患者さん達を改善へ導けるのなら、医師も理学療法士も苦労はしないですよ。

それに、セルフトレーニングセルフコンディショニングを正しく実践するためには、技術&経験を要します。自分に適する訓練を本人がセルフで判断&選択して実践することは、専門家ですら極めて難しい行為だといいます。

たとえば、歯科医だった某友人の証言によると、どんなに優秀な歯科医であっても、自分で自分の歯を治療することはできないらしいです。また、御用達の美容室の担当美容師さんの話によると、美容師さんが自分で自分の髪をすべて整えるのも限界があり、特に難しいのが、カット。フロント&サイドくらいまではなんとかなるけど、後ろの髪はやっぱり他の美容師さんにお願いしないとカットは無理とのこと。理学療法士さんの場合も、本人が自分の身体を評価してセルフでリハビリするのは困難と聞きます。

まして、我々患者は“素人”です。自分に適する訓練を本人がセルフで判断&選択することは、本当に危険。メディア等で得られる情報を参考に自己流で実践したリハビリが、もし自分に適していなければ、それこそ逆効果。やはり、専門の知識や経験が充分に備わった優秀な理学療法士さんに問診&触診をして頂き、その患者さんの症状や身体能力・ライフスタイル等さまざまな要素を考慮して見極めて頂いたうえで、本当に適したリハビリメニューを処方して頂くのが、最も安心できると思います。

無論、我々患者もいつでも医療機関へ足を運ぶことが可能な環境にあるとは限らないわけで、ときには患者が自力で判断しなければならない状況に陥る場合だってあります。ただ、セルフトレーニングセルフコンディショニングの技術は勿論、いざというときの応急処置などの方法も含めて、ある程度は患者自身が自力で適切な判断を行うことができる能力を身につけるためにも、専門の知識や経験が充分に備わった優秀な理学療法士さんから、技術やノウハウなどを学ぶ必要があると思うのです。

そしてもうひとつ、リハビリに限らず“独学”自体が“デメリット”の高い行為だから。どんなことをするにせよ、専門家による直接指導に頼らず独学で実践するという行為には何かとリスクを伴うもので、本当に正しく理解できているかどうかの確認が困難なことは勿論、もし間違って解釈してしまった場合の自力による軌道修正も極めて困難です。

テレビや新聞・雑誌・ネット等のメディアで得られる“二次元的な情報”で、具体的な訓練の内容が、どれだけ患者に正確に伝わるかは疑問。たとえ適したリハビリであっても、もし誤った解釈をしてしまったり、間違った方法で実践したりすれば、改善はおろか却って悪化させてしまう危険性だってあります。やはり、専門の知識や経験が充分に備わった優秀な理学療法士さんに直接指導をして頂くのが、最も安心できます。

それから、たまにネットで聞こえてくる、「病院で教えてもらったリハビリだから、大丈夫♪」という患者さんの声。どこぞの病院で大昔に指導されたリハビリを、自宅で延々と実践し続ける患者さん達は、意外と多いです。特に、手術を経験された患者さんの場合、入院時に指導されたリハビリを退院後もずっと実践し続ける人も多いと聞きます。

ただ、患者の症状は常に蠢いているので、“同じ内容”のリハビリを永遠に続ければいいというものではありません。それに、たとえ元は医療機関で指導を受けた訓練であっても、長期間セルフで実践し続けることで、先述で挙げたような“自己流”にも等しいデメリットも生じます。やはり、専門の知識や経験が充分に備わった優秀な理学療法士が常駐する医療機関へコンスタントに通院し、そのときの症状は勿論、体調や生活環境の変化などに応じたリハビリ指導を受けるのが、最も望ましいと思います。

幸い、舞姫はベストなリハビリ環境に恵まれました。理学療法士O先生は、常にアンテナを張り巡らせて舞姫の身体を判断し、適切なリハビリ指導と的確なアドバイスをしてくださいます。これで舞姫は、舞台活動の中核を担うレギュラークラスの一員として50歳まで舞台に立ち続け、そしてレギュラーを退いた現在も、無理のない範囲で地道にダンスを続けるに至っています。本当に感謝です。

ただ、哀しいことに、適切なリハビリ指導を手掛ける医療機関との出会いに恵まれず、致し方なく“自己流”でリハビリを続ける患者さん達が多く存在するのも現状です。すべての患者さん達が、適切なリハビリ環境に恵まれますことを、舞姫も心から願うばかりです。(-人-)

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